はじまり
旅人エドワードは、恋人の元へ帰る船旅の途中で事故に遭い、動物運搬中のモロー博士の船に救助されて命拾いするものの、ナゾの島へ連行されてしまう。そこではモロー博士の進化促進の実験対象となった獣人たちが、科学の名のもとに虐待されていた。果たしてエドワードはこの狂気の島を脱出し、恋人と再会することができるのか――?
ミタメモ
1930年代モンスターホラーの金字塔がまたひとつ。途中でダレる部分もあるものの、最後の恐怖シーンの盛り上げはすごい。同時代モンスター映画に底通するドイツ表現主義影響下のデカダンでハイコントラストなお耽美映像が美しく、そしてこわい。そのうえエキゾチックな美人もいるぞ。もう、間違いないお楽しみ映画である。
ポスターやクレジットに出てくる「Panther Woman」の名前が気になるけれど、それこそがこの映画のキモであるエキゾチック美人、パンサーウーマン役のKathleen Burkeのこと。彼女自身はとくにエキゾチック風がウリの女優さんではなかったのではと思うけれど、このパンサー獣人さんの役作りやメイクはそのカテゴリー典型のものでした。このキャスリーンさん、高倍率のタレントコンテストを勝ち抜いてこの作品でデビュー、成功したことにより、このあと6年、1938年25歳になるまで数々の映画に登場することになりました……って、たった6年、25歳で映画引退? 若いですなあ。
H.G.ウェルズ原作The Island of Dr. Moreauの映画化はフランス、ドイツでも行われていたものの無声映画時代で、本作品は初のトーキー。この翌年にはKing Kongが発表されるのですから、なんという時代でしょう。こうしたモンスターホラー映画の傑作輩出の背景には、科学の発展や、異人種や異世界(転生するほうじゃなくて、海の向こうとか別の文化というほうの)などに対して白人社会が抱いていた恐怖があり、それらがこうした娯楽作品に意図されぬまま表出していたのだと考えます。意図してないけど、出ちゃう。
視聴方法
ロシアの海賊ウェブサイトでみたためここではリンクしません。
参考リンク
Island of Lost Souls (1932) ⭐ 7.3 | Film-Noir, Horror, Sci-Fi1h 10m | Passedwww.imdb.com
Island of Lost Souls (1932 film) – Wikipediaen.wikipedia.org