
はじまり
経験豊富なメカジキ漁船の船長ビリーは、長い航海から戻るとすぐにまた、不漁分を挽回するべく仲間を集めて海に出た。史上最悪の嵐に行く手を阻まれることになるとは思いもせずに。
ミタメモ
ジョージクルーニーはなんでもできるんだなあ! と、またしても感心してしまう映画。どんな職業でもうまくやってしまうハンサムおじさん、今回は漁船の船長ビリーです。完全な判断ミスで無理な漁に出てると思うんですけど、それでもそれほど愚かには見えないところが、やはりさすがなのです。
物語的にも、クルーそれぞれが何故、長い漁のあとにまたすぐ出ることにしたのか、それを最初の25%くらいたっぷり使って語ってくれるので、のちにひどい嵐に見舞われてしまっても、「愚かだ」というよりは「仕方がない」と思えるのがありがたい(それはそれで本当はひどい話。ほんとうにお気の毒なので)。そんな伝統的というか古風といえなくもない、丁寧な語り口に、好感が持てた。
漁船の話と併走してレスキュー隊の物語も進行する。これはこれで興味深いのだが、漁船とくらべてあまりにも装備が良く、訓練も行き届いており、人員もたっぷりいる彼らがカッコよすぎて、話の本筋である漁船側の人々が気の毒でもあった。
全体的には、やはり気の毒な話の、大層な投げっぱなしで終わるので、感情的には困る。けど、実話ですし、原作のノンフィクションは有名な本らしいから、やはり仕方がないのだろう。気の毒なのだ。
漁村の社会の中でほかに大した仕事がないとか、全体的に貧困だから無理して漁に出るのだろうということはサラリと見せつつも、問題提起というほどの踏み込みはなく、やはり、「仕方ない」感で終わる。
とはいえこのILMの特撮は当時すごく評価されたのを覚えている。話は地味だし映像も質実剛健な撮り方だと思うけど、だからこその嵐の現実感はすごいぞ。「CGによる波の表現には、デジタル視覚効果アーティストとしてマシ・オカが関わっている。」というWikipediaからの豆知識。そうなんだ。
どんだけ
2時間10分
なぜみた
親せきからの熱い推薦により。
どうみた
Prime Video