
はじまり
天文愛好家の青年がある夜、アリゾナ砂漠に墜落する宇宙船を観測する。驚いて話してもだれも信じてくれない。しかし次第に、その町の人たちの挙動がおかしくなって……。
ミタメモ
この作品に出てくる宇宙人たちもまた、私の大好きな題材であり、すでにここミタメモでも扱いまくっている、米国50年代SF映画の「同情できるモンスター」群のひとつ。1953年という年代としてはかなり早熟ではと思うほど、進歩的な感性で宇宙人とのファーストコンタクトをとらえた作品です。
「オイなんだか知らないが宇宙生物が地球に来やがって、おれの地球をどうするつもりだ?」という敵対的な怒りが、みるみるうちに「ちょっと気の毒だなこの人たち」という同情心へと変化していく様が気持ちいい。
それもそのはず、監督のジャック・アーノルド氏といえばこの翌年『大アマゾンの半魚人(Creature from the Black Lagoon)』(こんな邦題だったのか……)という、同情できるモンスター界の歴史的名作を撮るお方。1957年の『縮みゆく人間(The Incredible Shrinking Man)』などは最初から最後まで、作中のモンスター的な存在はほんとうに気の毒な人間さん。気の毒モンスターの大家なのだった。
そしてレイ・ブラッドベリが原案なのですね。それもすごい。
なぜみた
大学院卒論のために50年代米国モンスター映画をいっしょうけんめい観ていたなかのひとつ。
どうみた
たぶんAmazon Prime。と思ってアプリを見たらすでに購入してあった。古いSFやホラーは借りるのとほぼ同じような価格で買えたりするし参考文献扱いでつい。なんだまたみれる。
どんだけ
1時間21分
いつきた
日本ではWOWOWで放送されるまで幻の作品扱いだったのだとか。意外です。米国ではけっこうなホラー名作扱いだと思うので。スタッフも豪華だし。