
はじまり
KPOPのガールズバンドとして大活躍のHuntr/xは実は人間界を悪魔から守るデーモンハンターでもあった。ところが悪魔が対抗してボーイズバンドを輩出し、人気を奪い始める。
ミタメモ
初見でいきなり、応援上映(Sing Along Screening カラオケみたいに歌詞が出て、いっしょに歌える上映)に行ってきました。楽しかったっす。スターウォーズの新作公開初日初回の真夜中上映のように、しょっぱなから声援オーケー拍手OK、歌っても踊ってもオーケーの雰囲気。係員の前説があるわけでもなく、だれかが仕切るわけでもないけれど、無言の約束としてそうなっている。
土曜の午後の回、満員でした。
客層はというと、ニューヨークという場所柄、KPOPをフィーチャーした物語ということで、韓国系やアジア系のお客さんが多くなるかと思いきやまったくそうでもなく、あらためてKPOPの、海外ニッチとしての存在を超えたポップカルチャーとしての浸透の深さを感じさせられました。
お子さま上等の内容だし、真っ昼間の回でもあったから、幼児をふくめた家族連れが多く、ポップコーンとドリンク抱えて歌ってました。あと十代の若者、男女半々のカップルやグループも多い。そしてなぜか中年のおっさんたち、場慣れしたヤジ声援を初々しい若者達とコール&レスポンス。ロマンスぽい場面になると、「キスしろー!」と何度叫んでいたことか。そして私を含めた「流行ってるらしいから様子を見に」ってかんじの、比較的おとなしいおじさんおばさん。
そんな「様子見」のつもりだった私ですが、序盤から精神的にはノリノリでした。予習が足りないので歌えなかったけど、次の日からはネットでMVをさがしてはじめ、ウクレレ用の楽譜を作ろうかなと思い始めてます。
キャラクターはみんな愛しい。内面ゴールは「正直な自分でいられること」、外面ゴール(彼らの正義)は「ファンを守ること」というのは共感できるしわかりやすい。物語は単純だけどテンポが良く、音楽的に気持ちいい時間構成だからこそ何度もみるお客さんが多いのだと思う。
そして歌がよい……私がふだん好むジャンルでは全くないけれど、よい…………。『アナと雪の女王』(こちらもSingAlong上映が好評だったらしい)もそうだけど、アニメのキャラクターが歌ってくれるミュージカルには独特の魅力があり、うまくいくと歌単体の訴求力がものすごいのはなぜかしら。
あと、韓国の伝統と現代とを両方愛して作られていて、いやみがないのがよい。日本人としても共感できる。えびせんも海苔巻きも大口開けてほおばりたい。ラーメンでハフーっていいたい。わかる。
舞台のほとんどは韓国(たぶんソウル)で、モブの一般人(ここにも愛がある)が、てらいなくほとんどアジア系(つまりきっと韓国人)で、無理に「未来の夢の国際都市」みたいにしていないのも、一周回ってうれしいかんじ。私たちが東京のマスを描写したとして、こんなに素直に愛せるだろうか。
私たちが、とは書いたけれど、これが「韓国のアニメスタジオが韓国カルチャーを描いた映画」かというと、そうでもないところもミソなのかもしれない。スタジオはSony Pictures Entertainmentで、Sonyだから日本発だと書いてるひとも一部いたりするけどそれはキツいのでは。米国企業です。米国エンタメ企業発の企画でKPOPフィーチャーなのだ。そして愛をもって取材して作っている。
一方で日本のアイドルアニメの2.5D化とか応援上映などの動きはそれはそれですごいぜと思う。これで「海外にもますます下地ができた」ということにして、めきめきと国際化してくれたらいいな。
ところで「ロッキー・ホラー・ショーをさわいでみるとか、むかしのカートゥーンの歌詞が出る短編映画とか、応援上映の下地になる文化は米国にはずっとまえからあった」という説も友人が語っていたけどそのとおりだと思う。だけど、なんかこう、やっぱ「映画は静かにみるもの」っていう圧力が強い地域(つまり日本とか)においての応援上映というのは、またちがう味わいがあると思うのだけど、まだ上手く説明できない。
まとまらないけれど、たいへん楽しめましたというミタメモでした。応援上映をこれからも応援したいです。
どんだけ
1時間40分
どうみた
Netflixのアニメ『K-POPガールズ!デーモン・ハンター応援上映(いっしょに歌えるタイプの上映)が全米、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドへと展開すると聞いて、「ついにアニメ応援上映の文化が世界へ……!」と感激して、行ってきました。
リンク
作品WikiPedia(日本語)
現状では翻訳がくずれていたりタグがこわれていたりと、大丈夫かなという状態。
BBC KPop Demon Hunters: How the Netflix film became a global sensation