
はじまり
ニューヨーク市警の刑事ニックは、捕えた日本人殺人犯を日本へ移送する任務につくが、大阪で引き渡した相手は警察官を装ったヤクザだった。ニックは大阪市警の堅物刑事と対立しながらも、共に事件の謎へとせまる。
なぜみた
初回は公開当時に劇場で。リドリースコット監督の日米合作映画ということで話題になっていた記憶。その後、第二次世界大戦や原爆の関連作ということで、ビデオなどで何回か内容を確認する機会があったとおもいます。
さらに最近、知人であるニューヨーク在住の日本人歌手さんが、ご自分のコンサートで語られた俳優としての経験談に、この映画がありました。
その要約〜
撮影では、ぼくはマイケルダグラスのために、ドアを開ける役だった。
開けたドアから入ってきた彼の目の上に、特殊メイクの傷跡があった。
それがあまりにリアルなので、本物じゃないかと思って、ぼくはじっと見た。 するとマイケルもじっと見返してきて、その場面にテンションが生まれた。 おかげで、いい役者だとほめられたんだ!
その話があまりにおもしろかったので、確認したくてAmazon Primeでブラック・レインを再視聴すると、おぉぉ、みつけましたよ……その歌手さんの、数十年前のお姿を。 松本のささやかな自宅を訪れたニックを迎え、ドアを開けた、あの真面目そうな青年……あの役でした。場面にテンション、たしかに生まれてました。
ミタメモ
ブラックレインということで、黒い雨ーー第二次大戦時に広島長崎に落とされた原爆の影響で降った、放射性物質を含んだ雨ーーについての言及が、作中にはあります。
ヤクザの世代間闘争のなかで残虐行為に走る若者(松田優作)とか、彼に対しての肉体的制裁をためらわない親分(若山富三郎)とかの、ヤクザ世界のもつ異常な暴力性が象徴するような日本社会のゆがみの原因を悲惨な戦争経験とその後のアメリカ合衆国による一方的な文化侵略と仮定してそれについて山場で触れている……気がする……が、あまり効いていないとおもう。原作ではもっとうまくいっているのだろうか。
そのうえで、なんとなくラッシュアワーシリーズを思わせるような、かっとびデカと生真面目刑事の国際バディ映画に仕上がっていて、果たしてこれでよかったのかどうか、個人的には首をひねる作品です。
どうみた
今回はAmazon Prime。
どんだけ
2時間5分