はじまり

クオーターマス博士発案の有人飛行実験から帰還した宇宙船。3人の宇宙飛行士のうち2人は姿を消し、たった1人の生存者は意識不明の重体のはずが病院を彷徨い出てしまう。宇宙船に残された生体組織、そして記録映像から、博士は周囲の個体を取り込み成長する宇宙生物の存在に気づく……。

ミタメモ

イギリスのホラー映画の名作工場、ハマーフィルムプロダクションによる初期作品。この大ヒットからハマーフィルムはホラー映画づくりにハマっていったらしい。[Wikipedia]

1955年というのは1954年日本のゴジラ公開の翌年。でもむしろ、物語の大枠や映像のタッチには、1953年米国の『原子怪獣現る』(The Beast from 20,000 Fathoms)との類似性を強く感じる。と思ったら邦題が『原子人間』。原子怪獣と原子人間。日本の配給さん、2年前のヒット作に印象を近くする手に出たのでしょうか。このころの流行でもありますよね。どちらも原題ではそんな原子原子言ってないけれど、このころのモンスター映画全般には、第二次世界大戦で日本に落とされた原子爆弾による恐怖のトラウマは色濃く背景にあると思われます。

原子怪獣現るではニューヨークの一大観光地、コニーアイランドのローラーコースターが効果的に使われていたように、原子人間ではウェストミンスター寺院がラストバトルの舞台になる。わあいロンドン観光。これまた美しい。

お話の運びがうまく行っていないような気がする面もあります(あれ? あの奥さんはどうしたんだっけ? とか)が、そんなことは些細なことだと思えてくる、全体の大げさな深刻さが楽しい。そしてクオーターマス博士の破綻した人格は、全編を通してしっかり押さえられ、印象的な結論部もある。

世紀の傑作を期待したらいけないかもしれないけれど、十分楽しい! ときに美しい! 記憶に残るキャラクターもいる、充実したモンスタームービーだと思いました。

なぜみた

Facebook のMonster Fan Clubグループのオススメを読んだのが、みたきっかけ。

どうみた

Prime Video

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